第1回 ベンチャー企業とは何か、何であるべきか



「創造的破壊」、最近、再注目されている経済学者であるシュー ペーターは、イノベーション(経済改革)のことをこうまとめて います。今回からベンチャー企業とは何か、という命題を、過去、 そして現在にわたってベンチャー企業といわれている会社と、共同 技術開発等の技術的な事柄に関して付き合いのある大学教授、技術 者という立場から、この「創造的破壊」のテーマを軸に、国内さら に徳島の視点から説明したいと考えています。

まず、ベンチャー企業とはどのような企業なのでしょうか。最近、 県や国でのベンチャー企業支援策やベンチャー企業の活躍などが 新聞紙上を賑わしています。ややもすると目新しいことを始めた中小 企業はすべてベンチャー企業であるかのような扱いです。特にコン ピュータ関係の企業であれば、すべてベンチャー企業であるかのような 扱いを受けています。逆にベンチャー企業として扱われなければ経 営が傾いているような印象さえ与えかねません。ベンチャー企業でな くても着実に業績を上げている中小企業はいくらでも存在します。 まずベンチャーとはどういう意味でしょうか。英語の辞書では、 「冒険、投機」とあり、「危険を冒して行うこと」とも書いてあり ます。ベンチャー企業のベンチャーとは、「誰でもが尻込みするよ うなことに果敢に挑み、成功をつかみ取る」という意味なのです。 「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ということわざの「虎穴に入る」 という部分の英語はまさにベンチャーなのです。まとめるとベンチャー 企業とは、「新しい分野にチャレンジ精神を持って果敢にも挑み、 成功への道のりの戦略を有している企業」と言えます。この戦略は 成功の結果として、「夢やロマン」という言葉に置き換わられます。 特にその戦略においては、単純に自社製品を広めるというだけなく、 新しい市場を作り出し、人間の社会生活を向上させるという崇高な 目標に向けて練られるのが常です。

ベンチャー企業は英語で「スモールビジネス」と訳されます。 このスモールは小さいという意味ですが、その裏に「独立している」 という意味が隠されてます。大企業や国、自治体から支えられて いるのではなく、独立した事業体であることが必要なのです。「独 創性」と「独立性」がベンチャー企業の柱であり、結果として「 チャレンジ(挑戦)」と事業に対する「リスク(危険)」が伴うこ とになるのです。