第12回 多様な形態を有するベンチャー企業



追加型株式投資信託の年間リターン、つまり値上がり率で、大和證 券のUSインターネット・オープンという品目が110%を超えているこ とが話題になっています。つまり1年で元手が2倍になっているわけ です。昨年からの北米でのインターネット関連株ブームに乗っての 現象です。これは国際株式投資ですが、国内のベンチャー企業を中 心とした店頭公開株への投資信託も70%以上の年間リターンを実現 しています。「情報革命」の時代を迎えて,その基盤技術であり, 思想的な柱でもあるインターネットとコンピュータに注目が集まり, ビジネスチャンスも集積しているのです.

ベンチャービジネスと言えば,新しい製品や技術を開発して,その 製品のインパクトによって企業を成長させるというイメージが強い ようですが,必ずしもそれだけではありません.特に日本では第1次, 2次,そして3次というベンチャーブームを迎えましたが,どちらか といえば,新しいサービスを提供するビジネスが成功しています. 例えばスーパーマーケットや人材派遣業に類する事業です。しかし 大概の場合。これらの事業は欧米のシステムの応用であり、国内の 新しい市場を開拓できる可能性はありますが、国際的に通用するかは 疑問です。実際、国際的に事業が発展し、成功を収めた事例を聞いて いません。国内需要に依存しているだけでは、これからのグローバル スタンダードの時代に対応できず、すぐに限界が見えてきます。 サービスではなく、企画を提供することに重点をおいたビジネスも あります。ハードおよびソフトを含めて、ゲームがその代表格でしょ う。ベンチャー企業の歴史的代表である、マイクロソフトも今では このタイプに属します。マイクロソフト自体は新しい技術を逐次、 提供しているわけではなく、ウインドウズという基本ソフトを中心に 既存のサービスを取り込んだり、改良したりしています。マイクロ ソフト自体が画期的な技術を開発したわけではないのです。企画型の ビジネスに近いものとして、ニッチ分野に焦点を合わせたサービスを 提供する形もあります。ニッチ分野とは、大企業が取り組めない、 あるいは大企業では採算の合わない、すきまの分野に絞ってサービスを 展開するものです。ニッチ分野もある程度の市場をとることは可能 です。しかし、市場を作り出すという意味でも独創的な新製品、新技術 を開発する、いわゆる研究開発型ベンチャー企業が花形です。インテル がその典型です。それが花形である理由は、今までにない市場を作り 出す可能性を持っているからです。通常、研究開発型ベンチャー企業が 続けざまに新しい技術や製品を開発していくことは困難です。これらの 会社は新しい市場を創造し、シェアを握った後は、マイクロソフトの ような企画型企業として、さらに大きく成長する場合もあります。