第14回 ベンチャー企業を成功に導く原則とは



いまや世界最大のコンピュータメーカとなったコンパックにおいて 社長解任がありました。解任された社長は世界一のコンピュータ メーカに育てた功労者です。しかし「2歩先を読む経営のスピード」 を要求され、今回の解任劇となりました。市場経済(資本主義経済) とは、いわば需要側と供給側の情報処理システムのことなのです。 この情報処理を如何に速く正確に行うかが、市場の一方に担い手で ある企業の盛衰に関わってくるのです。情報処理された結果(デー タ)と、それを利用して判断をするための人間(経営責任者)が企 業の経営を支えているのです。「情報化」は前者を得るためには必 須の技術となりました。しかしベンチャー企業にとっては前者もさ ることながら、人、つまりアントレプレナー(起業人)とそれを支 える社会の仕組みが重要です。アントレプレナーを育成ではなく、 賞賛する社会を作る必要があるのです。

起業家にとって一般的に次の能力は必要になります。まず「夢とロマン」 に通じる確固たる将来構想の策定です。さらにそれを説く能力です。 つまり企業の指針にあたる将来構想を具体化し、協力者、例えばともに 企業を支えていこうとする共同経営者や出資者に説明し、賛意を得る 能力です。次に市場と提供(開発)するサービスや技術の見極めです。 一般に、将来の成長が見込める分野や市場にねらいを定めます。この 成長が見込める分野は十分に予想がつき、問題となるのは、その中での 自社開発商品や技術、サービスの優位性の見極めです。リーダーシップ も重要な資質です。立ち上げ時のベンチャー企業においてさえ、企業 経営のすべてを一人でリードしていくことは非常に困難です。また 一人ですべてを判断するということは大きな危険性をともなう場合も あります。助言を求められる共同経営者、および社員等の協力者を 先導していく強いリーダーシップが求められます。最後に求められる ことは企業であることです。注目される技術や製品を有し、一時的に 急成長したとしても、企業であることを忘れては、永続的な成長は 望めません。企業とは、目的および価値観を共有し、ともにそれに 向かって目指す社会集団です。利益は目的ではなく、企業を継続させる 原資であることを認識しなくてはなりません。