第15回 続 ベンチャー企業を成功に導く原則とは



ベンチャーキャピタル(VC)というのは、ベンチャー企業に 資金を供給し、その資金回収および利益を上げることを 業務とした企業のことです。詳細は述べませんが、資金を 供給したベンチャー企業を成長させ、例えば高騰した株式を 売却することによって利益を得るのです。VC は詳細な調査によって資金投資する企業を選択します。投資した 会社の多くは必ずしも成長しませんが、一部の会社の成功が、 投資金額の数十から数百倍となって回収されますので、全体と して欠損を抹消させ、利益を上げることになります。投資企業と いうことで銀行と同じような印象を受けますが、最大の相違は、 銀行の投資はローリスク・ローリターンであるのに対して、VCは ハイリスク・ハイリターンを目指します。つまり銀行は担保物件や 個人保証等を要求し、さらに投資先の財務健全性を厳格に評価する ことによってリスクを高い確率で排除します。いわゆる「貸し倒れ」 を防ぐわけです。しかしリスクを避けるかわりに、大きな利益を 上げることは期待できません。VCはベンチャー企業への投資ゆえの リスクはある程度避けられませんが、成功した場合には大きな 利益が期待できるのです。日本の経済政策も、その実質上の 社会主義経済ゆえに、言わば「浅く普く」支援を行っていましたが、 現実的に限界が見えるに連れ、その逆の思想であるベンチャー企業に 活路を見出しているとれなくはありません。 VCのさらに大きな違いは、資金だけでなく、様々な支援を強力に 推し進める点です。時には社外取締役や監査役に就任して、経営を 指導する場合もあります。

VCはアメリカで生まれましたが、日本では1960年代に中小企業投資 育成会社としていくつか設立されました。現在、170社あまりのVC が設立されています。これらのほとんどは銀行や証券会社等の金融 機関の関連会社として設立されており、多くのVCが少なからず問題を もっています。特に、実績や財産価値による融資と区別を付けきれ れず、ベンチャー企業投資になっていないという批判があります。 VCが組織であるのに対して、エンジェルと呼ばれる個人がベンチャー 企業を支援する場合があります。エンジェルは出資するだけでなく、 VC同様、アドバイザーとしての役割も担います。エンジェルになる のは資産をなした起業家であることが多いようです。自らの経験を 活かして、後輩を育成するということになります。アメリカでは、 大学教授がエンジェルになる場合も多く見られます。研究室で得ら れた技術を基に、学生が企業を起こす場合に多く見られます。