第2回 ベンチャー企業は何を目指すのか



ベンチャー企業とは、「新しい分野にチャレンジ精神を持って果敢 にも挑み、成功への道のりの戦略を有している企業」です。

ベンチャー企業は今に始まったわけではありません。第二次世界大 戦後の日本の混乱期、奇跡的な経済回復を遂げたのは、ソニーやホ ンダといった国内のベンチャー企業の努力と成功によるのです。 新しい分野に乗り出すのがベンチ ャー企業ですから、従来どおりの発想では、乗り出すどころか新規 分野も見えてきません。新しい発想、すなわち独創性が必要です。 独創性は、その行動としてイノベーション(革新性)を生み出しま す。このイノベーションを生むために経営を行っている企業がベン チャー企業なのです。

徳島ではジャストシステムの成功もあって情報・通信関係の中小企業、 特にソフトウエアの開発会社が少なからずあり、活発に活動してい ます。しかしながらこの中でベンチャー企業と呼べる会社があるか どうかはいささか疑問です。徳島県だけの市場を考えているならいざ しらず、国内および国外への調査の目をむけておらず、独創性に欠け る商品が多く見受けられます。もちろん、商品の独創性だけがベンチ ャー企業の特質ではなく、企画や流通を含めた全体の独創性で判断 されるべきですが、地方の独立企業における情報収集の難しさ、その 難しさを克服するための情報インフラの整備の問題が大きく影響して います。

もう少し具体的に一般の中小企業との比較をしながら、ベンチャー 企業の特徴をまとめましょう。昔からの守備範囲を頑なに守り、それ を出ようとしない中小企業との差異は明確ですが、「事業拡大を積 極的に進めている中小企業」とはどこが違うのでしょうか。まず、 商品や市場に対する弛まない独創性と創造性です。一般の中小企業も もちろん技術開発を行っているわけですが、ベンチャー企業との大きな 差異は、前者が市場を意識して新規の製品を開発するのに対して、 後者は独創的な製品を作って、市場を開拓します。したがって よりリスクを被ることになりますが、市場を独占することになり、通常、 高い利益率が期待できるわけです。ベンチャー企業が盛んな分野と して、情報・通信分野が上げられています。確固たる地位を築き、会社 規模の点から言って、今ではベンチャー企業という 色分けには含まれませんが、インテル、マイクロソフト、オラクルシス テムズ、シスコシステムズ、サン・マイクロシステムズ等層々たる名前を 上げられます。アメリカの店頭公開株式総額で、上位の会社のほとんど は情報通信分野です。この理由は情報通信技術やコンピュータを利用して 新しい市場を創出できたからなのです。市場の創出こそベンチャー企業 の目指すものであり成果なのです。