第4回 産業革命と混沌の時代におけるベンチャー企業



ベンチャー企業に必要なのは「独創性」と「独立性」です。その2 つを実践するためには、チャレンジ(挑戦)とリスク(危険)が付 きものです。チャレンジは必ずやチャンスを開拓し、そのチャンス を生かすことができれば、市場や社会のチェンジ(変革)をもたら し、成功へと誘うのです。

経済と連動した社会の大きな変革時には常にベンチャービジネスが 注目、あるいは胎動を始めます。現在も戦後最悪の不況というだけ でなく、有史以来の大きな社会変革期と捉えることができます。 つまり、1万年から3千年前にかけての農業革命、18世紀から19世紀に かけての産業(動力)革命、そして今、入り口に立った情報革命です。 日本は情報革命という大きな社会変革期の入り口に立ち、非常に戸 惑った状態にあるのです。 アメリカはこの情報革命において、頭一つ 抜け出ている感があります。なお、コンピュータや通信技術という のは、18世紀の産業革命における蒸気機関に過ぎず、産業革命で経 験したように、情報革命の社会に対するインパクトは計り知れませ ん。この革命時において、前革命では封建体制が崩壊したのと同様、 旧態依然たる企業体制では乗り切れないことは歴史が証明しています。 シューペーターの「創造的破壊」が再注目されている所以なのです。

近年における日本経済はベンチャービジネスによって支えられてきた といっても過言ではありません。戦後の混乱期において生まれた、 今でいうベンチャー企業が日本の復興を促し、現在までの日本経済を 牽引してきたのである。ソニー、ホンダ、三洋電機、ダイエーなどで ある。特にソニーは、その当時、学問的には注目されていましたが、 工業製品や部品としてほとんど価値を見出せなかったトランジスタに 着目し、改良改善を重ね、トランジスタラジオを世に送り、アメリカ を始め世界中を驚嘆させた話は有名です。ソニーに限らず、その類の 話は枚挙にいとまがありません。しかも当時の国策としては、重工業 中心の産業政策であり、現在のようなベンチャー創業への支援など 皆無の時代です。