森井教授のインターネット講座 最新版(2007年6月13日掲載記事)



第385回 SaaS




以前に紹介したNGNとは次世代ネットワークの略でした.SaaSとは 何でしょうか.不思議な文字の並びですが,サーズと読んで,ソフ トウェア アズ ア サービス(Software As A Service)の略です. 次世代ネットワークと同じように,これからの情報通信技術の利用 方法として期待されています.

パソコンを用いて情報を処理したり管理したりする場合,必ずソフ トウェアが必要となります.例えば,文書を作成する場合,ワープ ロソフトが必要になりますし,表計算を行う場合は,表計算ソフト が必要になり,大量の情報を効率よく管理するためには,データベ ースソフトが必要になります.このようにソフトウェアをパソコン に取り込み(インストールといいます),それを動かして作業を行 うのです.当然,利用しないときでもパソコンに取り込んだままで す.このように今までソフトウェアはパソコン毎に購入し,そのソ フトウェアを占有して利用する権利を得ていました.しかしながら, 非常に高価なソフトウェアであり,しかも常に利用することがない 場合,その導入には大きなコストがかかったり,資本力がない小さ な企業や店舗では利用できませんでした.そこで現れたのが,SaaS という,必要なソフトウェアを必要なときだけ利用させるという考 え方です.例えて言うと,ソフトウェアをレンタルするようなもの です.今までも使用期限付のソフトウェアがあり,その期限内でレ ンタルしているようなものでしたが,「必要なときに必要なだけ」 というものではありませんでした.SaaSは自分のパソコンにソフト ウェアをインストールするのではなく,インターネットを利用して 必要なときに,サービス側のサーバに存在するソフトウェアを利用 して作業を行う方法です.ブロードバンド環境の普及と充実,それ に,セキュリティ技術の確立によって実現できるようになりました. 何でもレンタルで済ませられるわけではないのと同様,ソフトウェ アがすべてSaaSに置き換わるわけではありませんが,有効な一つの 解決策になっています.



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