森井教授のインターネット講座 最新版(2001年10月22日掲載記事)



第186回 地方のブロードバンド(上)


解説イメージ

ブロードバンドとはどういう意味でしょうか。今、インターネット の世界ではブロードバンドという言葉がよく使われます。ブロード は「広い」、バンドは「帯域」という意味です。帯域とは、どれぐ らいのデータを一度に流せるかという、言わば情報の道幅のことで す。つまりブロードバンドとは、一度の多くの情報(データ)を流 すことのできるインターネット、正確にはそのインフラ(基盤)の ことなのです。さらにブロードバンドにはもう一つの意味があり、 いつでもデータを流すことが出来るという「常時接続性」が要求さ れます。いつでも高速なインターネットに接続できなければブロー ドバンドではないのです。では高速とはどの程度の速さなのでしょ うか。これにはいろいろな考え方があり、正確に定義されていませ ん。従来の公衆電話回線によるモデム経由やISDNを利用した接続よ りも、少しでも早ければブロードバンドという人もいれば、せめて M(メガ)bps程度で通信できなければブロードバンドではないとい う人もいます。共通しているのは、常時接続であるという点です。 速さにおいても、以前は専用線や光ファイバを直接引くという、非 常に費用がかかる方法しかありませんでした。最近ではCATV(ケー ブルテレビ)回線やDSLを利用したサービスが広く提供されています。 CATV回線によるインターネット接続も、当初、下りが数百K(キロ) bpsでしたが、最近では数M(メガ)bpsが一般的です。下りとは、イン ターネットサービスを受けるユーザ側へ向けてデータを送る道であ り、その逆が上りになります。CATVのスピードアップは、DSLの普及 によるものです。DSLも価格競争の時代に入り、一ヶ月3千円前後の 使用料で、数Mbpsの速度を実現しています。DSLの仕組みについては 以前説明しました。既存の電話線を用いてブロードバンドを実現す る方法です。電話線に関しては国内のどの家庭でも引き込むことが 可能です。電話は誰でも使うことができるのです。しかし電話線が 引き込めてもDSLが使えるわけではないのです。その地方の電話局に DSLの装置がなければサービスできないのです。


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