ES3 Lab.

研究生活


情報通信研究室では基本的に一人一人個別の研究テーマを設定し研究に取り組みます. 教員の指導の下で研究室のメンバーと議論を交わしながら卒業論文・修士論文に向けて研究を進めていきます. 成果主義ですので自律し主体的に研究に取り組み進捗を出すことが大事です. 週に一度は担当教員に進捗状況と今後の方針を詳細に報告する必要があります. そして今後の研究方針について確認・指導をもらい研究を進めていきます. 研究生活は研究,報告,指導の繰り返しです. 研究を進める中で疑問が浮かんだり問題に遭遇した場合は,教員だけでなく研究室のメンバーも身近で頼れる存在となります. 定期的に行う研究発表ゼミにて研究室のメンバーに自身の研究を紹介することで,教員とメンバーからアドバイスをもらうとともに発表の技術を学びます. 研究を進めて良い結果が得られたときは,学会発表でその成果を広く公表します. 主な研究発表の場は,情報科学技術フォーラム(FIT),コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS),情報理論とその応用シンポジウム(SITA),暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS)や 電子情報通信学会(IEICE)の総合大会,情報処理学会(IPSJ)の全国大会,IEICEの各研究会(IT, ISEC, ICSS, LOIS, EMMなど)です. 特に優れた研究成果は査読付きの国際会議や学術論文誌(IEEE, ACM, IACR)へ投稿します.

4回生の1年間


研究室に配属された4回生は1年で研究の基礎としてプログラミング技術,課題を細分化し解決方法を考える能力,適切な文献調査を行う能力,自己管理能力,分かりやすい報告をする能力などを身に付ける必要があります. そのために配属されてからさっそく小研究という形で研究テーマを与えられ研究に取り組みます. それと同時に毎週開講する基礎ゼミにて,情報通信研究室での研究生活で必要となる知識を身につけるとともに人の前で発表する技術を養います. 配属から間もなくは上回生の担当が付き研究の相談,指導にあたります. 4回生は上回生から研究のやり方を学び,上回生はアドバイスを通して自身の知識・技術の幅を広げ指導力を培います. 4回生は6月に中間発表を行い進捗状況を研究室全体に向けて報告します. そして小研究の締めくくりとして7月に最終発表を行います. 小研究が終わり次第,院試勉強に移ります. 研究室に蓄積された過去問とノートを利用して集中して取り組みます. 無事合格したら次は卒業研究です. 研究テーマは小研究から変更となる場合もあります. この時期は多くの研究会やシンポジウムなどがあり,すでに良い研究成果が得られている場合は4回生でも学会発表を行います. 年末に中間報告を行い2月の卒業論文提出と発表を終えると大学院生活はすぐそこです.

研究環境


研究室に配属された学生はデスク1台とデスクトップPC1台が割り当てられます. 情報通信研究室の研究の基本は論文を読みプログラムを書いて実験を行うことの繰り返しですので,PCが1台あればどこでも研究ができます. 提案システムを実現する小規模ネットワークを構築したりマルウェアにあえて感染させたりする目的で,さらに複数台のPCを使用することもあります. また提案システムの実装には外部ネットワークに設置したサーバを使用することもあります. 大規模なシミュレーション,符号語の探索,暗号の解読などマシンパワーが求められる実験のために10台を越えるCore i7搭載のサーバを設置しています. これらのサーバの多くはハイエンドなGPUを搭載しており,GPGPUによる大規模なシミュレーションや実験が可能です. これだけのマシンパワーを自由に使用できる環境は企業の研究施設でもなかなかありません. 各部屋にはディスカッションをするために十分な広さのスペースが用意されています. また多くの参考文献を常備しており,図書館まで行かずともプログラム言語などの基礎的な事柄はすぐに調べることができます.

Coffee Break


研究に疲れたときは休憩室でコーヒーを淹れてほっと一息をつくことができます. 自身で豆を挽いてコーヒーを淹れることができ,コーヒー好きにはたまらない環境が整っています. 情報通信研究室ではおいしいコーヒーを淹れるためにコーヒー豆にこだわっています. ある卸業者のコネを通じて神戸市内の喫茶店に卸しているコーヒー豆を格安で購入しています. このコーヒー豆で淹れたコーヒーは香り高く深いコクがあり,その他の豆で淹れたコーヒーは飲めなくなるでしょう. コーヒー豆は挽くときに最も香りが立ちます. 3階の廊下からコーヒーの香りが漂ってきたときはきっと情報通信研究室からでしょう. コーヒー豆を挽いて粉末状にした後は,ペーパードリップ方式でコーヒーを抽出します. Kalita式,Melta式,Hario式など好みに合わせて使い分けます. ここでお湯の温度に気をつけなければいけません. 熱湯は禁物です. 90度のお湯を注いでからおよそ1分間蒸らします. 蒸らすことで全体から均一にコーヒーの成分を抽出することができます. 新鮮なコーヒー豆であれば蒸らしている間に挽いたコーヒー豆がふんわりと膨らんでくるはずです. 細口ポットでお湯をゆっくりと注いでいきましょう. 雑味が落ちてこないように抽出を途中で切り上げたらおいしいコーヒーの完成です. 冷めたり酸化したりしないうちにいただきましょう. 初めは砂糖やミルクがないとコーヒーを飲めなかった学生も卒業するころにはコーヒーをブラックで嗜むようになるでしょう.

様々な共同研究


情報通信研究室は豊富な人脈を活かし,他大学,官公庁,国立研究所,民間企業など様々な機関と共同研究を行っています.

卒業・修了後の進路


神戸大学工学部電気電子工学科の4回生の多くは卒業後,同大学院へ進学して研究を続け博士課程前期課程(修士)を修了します. 情報通信研究室では博士課程後期課程(博士)へ進学する学生も多く,最先端を行く技術者を輩出しています.
引く手あまたな電気電子工学の技術者の中でも,情報通信が専門の技術者への需要は年々高まっています. そのため情報通信研究室の学生は様々な業界で活躍しています. 例年の主な就職先はIT企業,電機メーカーとなっています.
近年の就職先は,日本電信電話(NTT),KDDI,ケイ・オプティコム,Amazon,Oracle,野村総合研究所,日立製作所,三菱電機,東芝,ソニー, パナソニック,富士通,日本電気(NEC),デンソー,日産自動車,マツダ,小松製作所,サントリー,オリンパス,キーエンス,西日本旅客鉄道(JR西日本)などです.
研究機関への就職は国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT),国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST),日本電信電話(NTT),KDDI,日立製作所,ソニー,パナソニック,大学教員などです.