平成15年度から高等学校では「情報」という教科が必須になります。 英語や数学という教科と同等になるのです。「情報A」、「情報B」、 「情報C]という3つの科目に分かれており、その中の一つを必ず 修めなければなりません。それぞれの内容はかなり高度で、「情報A」 はコンピュータやインターネットを日常生活に活かせることを目的 とした「情報活動の実践力」、「情報B」はコンピュータの仕組み などの「情報の科学的理解」、「情報C」はネットワーク社会の理解 を目指した「情報社会に参画する態度」を学ぶことになっています。
小学校から高等学校まで、ほぼすべての学校にパソコンが導入され、 そのパソコンを使った授業も珍しくはなくなりました。インターネ ットも多くの学校で利用できるようになり、まもなくすべての学校 にインターネットが接続される予定です。パソコンは各学校に、1 クラス分の台数、すなわち40台程度が設置され、特別な部屋に置 かれている場合も多いようです。更に、その部屋は自由に入ること が出来ず、パソコンを使う授業があるときだけ使うという学校もあ ると聞きます。10年以上前のパソコンは技術計算や会計処理等、 特別なことだけに使うものでした。しかし現在ではパソコンは特別 なものではなく、ごく普段の生活でさえ使うようになったのです。 音楽や映画だって視聴できますし、さらに映像や音も記録したり、 作り出すこともできます。辞書にもなりますし、新聞にもなります。 いわゆる見たり聞いたりすることすべての機能に対応するのです。 このように身近になったパソコンは「いつでも、どこでも、だれで も」使えなければなりません。子供達にはパソコンを親しみある存 在として受け入れてもらう必要があるのです。21世紀がITを利用し た時代であることは間違いがありません。20世紀は文字を書けて、 読めるというのが教育の基本でした。俗に「読み、書き、そろばん」 と呼ばれます。パソコンやインターネットはこの「読み、書き、そ ろばん」を包括し、その能力を格段に高めてくれる道具なのです。 有史以来、人類が道具を使うことによって発展してきた軌跡の上で、 これからの人類、すなわち子供達は、この道具を違和感なく、そし て自由奔放に使いこなしていく必要があるのです。インターネット やパソコンを教室内に導入することを反対する意見があります。そ の理由は「考える力が育たない」ということだそうです。しかし、 パソコンは人間に代わって判断を下したり、ましてや考えたりはし ないのです。パソコンやインターネットは知的な行為を増幅させま す。確かに授業に興味がない学生にとっては、他の知的な行為を増 幅させる可能性はあります。しかし、それはパソコンやインターネ ットの問題ではなく、教育方法の問題です。「パソコンおよびイン ターネットは創造力を蝕む」という極論は排除しなければなりませ ん。インターネットやコンピュータとどのように付き合うかを教え なければならないのです。