森井教授のインターネット講座 最新版(2000年2月10日掲載記事)



第165回 Java搭載携帯電話


解説イメージ

二人に一人は携帯電話を持っていると言われ、老若男女を問わず、 その多くの人はインターネットに接続できる機種を使って、電子メ ールやホームページを見ていると言われています。そして、その携 帯電話も次々と新しい機種が売り出され、1年もしないうちに新し い機種に買い換えていく利用者も少なくないようです。携帯電話を 使ったインターネットの利用ですが、画面が小さいというだけでな く、パソコンを使った利用に比べて大きく機能が制限されていまし た。その一つの理由は、携帯電話のコンピュータとしての能力の問 題です。携帯電話が高機能になったと言っても、パソコンには足元 にも及ばない機能がありました。それは任意に与えられた命令を処 理する機能、つまり任意に与えられたプログラムにしたがって計算 したり、画像を表示したり、それを動かしたする機能です。いわゆ る与えられた命令を処理するというコンピューターの基本機能です。 この機能がないゆえに、インターネットと言っても、文字だけの電 子メールや簡単なホームページの閲覧程度しか出来なかったのです。

21世紀となった今年に入って、携帯電話で大きな革命が起こりま した。携帯電話がパソコンに近づいたのです。つまり、プログラム にしたがって命令を処理する機能が携帯電話に付加されました。Ja va搭載携帯電話です。Java(ジャバ)とはプログラムの形式の名前 で、ほとんどすべてのコンピュータで動くことができます。そして、 最大の特徴は、ネットワークを意識した最新のプログラム言語であ るということです。Java搭載携帯電話では、ネットワークを介して プログラムをインストール(導入)し、そのプログラムを携帯電話 で動かすのです。実は今までの携帯電話でもプログラムをインスト ールして動かしていました。それはホームページを見るための簡単 なプログラム言語だったのです。Java搭載携帯電話では、フルセッ ト、つまりパソコン等で使う完全なJava言語に比べて若干劣るもの の、ほとんど同じ命令体系をもったJava言語が使われています。こ のJavaによって携帯電話が大きく変わろうとしています。まだ、こ のサービスは始まったばかりで、一部では、ゲームをするための機 能だと思われているようです。これは始められているサービスの多 くがゲーム類であることからです。パソコンでも最初は多くのゲー ムに関するプログラムが開発され、それが一つの引き金となって、 実用的なプログラムの開発が進みました。携帯電話でも、これから 多くの人、特に個人がJavaのプログラムを開発して広めていくこと でしょう。その中で携帯電話の使い方を根本から変える、キラーアプ リと呼ばれるソフトウエアが開発されるかもしれません。Javaは携帯 電話を携帯端末、そしてインターネットに常時接続された携帯パソコ ンに変えていくのです。


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