森井教授のインターネット講座 最新版(2000年4月23日掲載記事)



第173回 Lモード


解説イメージ

Lモードと呼ばれるサービスが6月から予定されています。これは NTT東日本、NTT西日本が予定しているサービスであり、先日に総務 省から認可されました。Lモードとは、通常の電話、つまり携帯電話 ではない固定式の電話で行うインターネットとの接続サービスです。 LモードのLは、Living(=生活)、Lady(=女性向け)、 Local(=地域)、Large(=大きい画面、大きいボタン) 等のLの文字を意識しているそうです。つまり、より一般の人々に 密着した情報通信サービスを提供しようとするものなのです。iモー ドは携帯電話で利用するサービスですが、その固定電話版と考えて よいでしょう。電子メールやインターネットのホームページをiモー ドと同じ感覚で見ることができるのです。現在、固定式電話の一般 利用者は減少しつつあり、携帯電話の利用者に押されています。携 帯電話が普及した一つの原因が、iモードに代表される、手軽に電子 メールやインターネットのホームページを利用できる機能なのです。 固定式電話の起死回生をかけて、電話会社が企画したサービスなの です。

しかし、iモードとまったく同じではありません。大きな違いがいく つかあります。まず、一つはLargeのLです。携帯電話は画面 が小さく、またボタンも小さく、必ずしもすべての人に使いやすい 機器であるとは言えません。Lモードは、固定式電話を想定してい ることから、画面を大きく取ることを考えています。少なくとも4 インチ程度、つまり携帯電話の4倍以上の画面の広さがあります。 さらに家庭内のテレビにつないで大きな画面で写すことも出来るよ うになるでしょう。この大きな画面と大きなボタンによって、携帯 電話よりも優れた操作性を得る可能性があるのです。

また街中に設置されているICカード採用の公衆電話でも使えます。 携帯電話の広がりによって公衆電話は減ってきているのですが、そ れでも駅や繁華街等のターミナルではICカード公衆電話が多く設 置されるようになりました。この公衆電話の比較的大きな画面を使 って、Lモードを利用できるのです。さて利用料金ですが、これも iモードとは大きく異なります。iモードでは、送信受信するデータ の量に対して課金されます。それに対してLモードでは、通信する 時間によって課金されるのです。パソコンとモデムを使って、公衆 電話回線経由でインターネットに接続する場合、プロバイダーまで の電話料金がかかります。それと同じようにLモードアクセスポイ ントまでの通信料金、つまり電話料金がかかることになります。L モードが広まるか否かはLモードの機能や使いやすさというよりも、 Lモードに対応したホームページがどれだけ増えるか、とくに一般 の人のホームページがどれだけ作られるかに依存するでしょう。


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