森井教授のインターネット講座 最新版(2001年11月5日掲載記事)



第188回 i-modeFAX


解説イメージ

インターネットを利用した様々なサービスが登場しています。店舗 と顧客を結ぶインターネットショッピングやネットオークション等 は多くの人に受け入れられています。従来の電話やファックス以上 に人と人を結びつけるものがインターネットなのです。人と人を結 び付けるだけでなく、機械と人も結びつけるものがインターネット でもあるのです。例えば、飛行機や列車の座席予約等の予約などは インターネットを利用して、その会社の予約を扱うコンピューター と人(自宅)を結び付けます。銀行の端末(ATM)と人とを結び付け るインターネットバンキングもその一つです。インターネットとは もともとネットワークとネットワークを結びつける技術のことでし た。いまや、ものや人とを相互に結びつける道具がインターネット となっているのです。

人と人とを結びつける道具としては郵便や電話があります。最近で は、インターネットから郵便を出せるようになりました。ハイブリ ットメールと呼ばれるものです。昔ながらの郵便とウエッブや電子 メールを結ぶ非常に有効なシステムです。現在、様々なコミュニケ ーションツールが存在します。パソコンを入り口とするインターネ ットを始めとして、電話、ファックス、それに郵便です。それぞれ を相互に結べることは非常に重要な意味があります。私たちは、ビ ジネス関係でまだまだ利用されているファックスと電話、特に携帯 電話との相互運用システムをドコモ四国と共同で開発しました。

インターネットが普及したとはいえ、すべての人が利用できるわけ ではありません。携帯電話はほぼすべての人が利用できるようにな ったと言ってよいでしょう。現在では、インターネットを使って、 画像を携帯電話に送ることは可能になりました。例えば、営業に出 ている人に、会社から地図を示したい場合、インターネットを使い こなせれば、携帯電話に地図、すなわち画像を送ることは可能です。 インターネットを使えない人が携帯に地図、特に手書きの地図等を 送りたくとも遅れないのです。私たちの研究室では、ファックスか ら、携帯電話に画像を送れるシステムを開発しました。送り手は、 ほとんど相手が携帯電話であるということを意識せずに、ファック スからファックスに画像を送る感覚で、相手の携帯電話に画像を送 れるのです。また、携帯電話から、相手のファックスにメールを送 ることも可能です。それぞれのデータを相互に送受信するという技 術の他に工夫した点は、画像の大きさです。明らかなように、携帯 電話の画面は非常に小さいものです。ファックスでA4ノートサイズ の紙面を送ろうとすると、その大きさのままでは当然、送ることは できません。我々は、自動的に余白を切り取ったり、線を鮮明にす るといった画像処理を行い、さらに携帯電話側で拡大や回転を行え る等の処理を可能にすることによって、十分実用に耐えるシステム としました。つまりファックスと携帯電話とのシームレスな通信を 可能にするシステムを開発したのです。11月初旬のドコモ四国の展 示会でお披露目をしましたが、今後、各地で展示していく予定です。


前回掲載記事はこちら
次回掲載記事はこちら

森井教授のインターネット講座ホームページ