森井教授のインターネット講座 最新版(2002年2月18日掲載記事)



第198回 電子自治体(下)


解説イメージ

役所の窓口業務が完全に電子化され、インターネットを利用して各 種の申請が可能になれば役所に出向く必要がなくなり非常に便利で す。また紙を使う必要がなくなり環境にとっても非常にやさしいの です。さらに実際には、申請に関わるデータを含めて住民データは すでに電子化されていることから、役所にとっても事務量の軽減を 含め、都合よいはずなのです。また、役所には「ワンストップサー ビス」が希求されていることは以前から言われています。通常、申 請を行う場合、いろいろな部署にまたがった内容を含む場合があり ます。一つの目的のために、様々な部署の窓口を訪れ、それぞれつ いて問い合わせをしたり、個々に申請を行ったりしなければなりま せん。ワンストップサービスとは一つの窓口、一度の手続きで、複 数の申請やサービスを受けられる仕組みです。そのような窓口業務 の電子化、すなわちインターネットを利用して申請や問い合わせの 授受を行うことは強く望まれているものの実際にはほとんど実現し ていません。その理由は数多くあります。まず法律の整備です。し かしながら、これについては急速に進んでいます。例えば、書類に は印鑑が必要でしたが、電子署名法が整備されて必ずしも必要では なくなりました。次にセキュリティや個人情報保護の問題です。申 請者が確かに本人なのかを確認する場合があります。インターネッ トでは本人確認は難しく、なりすましや証明書の偽造が容易である と思われています。しかし、この点については十分な技術的な対策 が可能となっています。最も根本的な理由は役所の意識の問題でし ょう。前回の電子入札と同様、単に電子化されるだけでなく、仕事 内容どころか、役所の考え方自体を大きく変えていく可能性がある のです。

電子政府については政府の方針もあり、急速な展開が求められてい ますが、ほとんどの市町村自治体において、その対応が十分ではあ りません。自治体側では中央からの指示だけに頼らず、可能なこと を試験的にでも行っていくことが望まれます。申請書類をインター ネットで取り寄せることが多くの自治体でできるようになりました。 しかし、このサービスは従来から郵便を使って行っており、即時性 や大幅に双方の手間を省くことはできるものの新たなサービスでは ありません。最終的に完成した申請書を窓口に提出するとしても、 次のような新規のサービスが考えられます。インターネット上の ウエッブを通して申請書に記入します。このとき自動で記入の不備 がないかをチェックします。完成した申請書を役所のデータベース に保存し、そのファイルの所有権を示すIDとパスワードを記入者に 送ります。後日、役所に申請にきた際に、IDとパスワードを確認し、 そのままファイルとして、あるいは印刷、押印するなりして受理す るのです。インターネット上の本人確認(個人認証)が広く認知さ れれば、役所に赴く必要もなくなります。


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