森井教授のインターネット講座 最新版(2002年3月4日掲載記事)



第199回 スパイウェア


解説イメージ

1960年代後半から1970年代前半にかけて「スパイ大作戦」という海 外テレビドラマが流行りました。数年ほど前に、「ミッション・イ ンポシブル」という原題でリメイク映画が作られ、最新のCG技術も 相まって大ヒットしました。最近では、大人気のハリウッド俳優を 配した「スパイゲーム」と呼ばれる映画もヒットしています。

「スパイ」というのは秘密諜報員を一般に表し、正体を明かすこと なく秘密情報を盗んだり、人知れず工作活動をする人のことです。 コンピューターウイルスも知らない間に、ウイルスを他に送ったり、 またユーザが知らない間に、「トロイの木馬」を仕掛けられて、気 がつかない間に、他のコンピューターを攻撃し、不正アクセスの片 棒を担ぐ工作を行いますから、コンピューター上の「スパイ」と言 えるかも知れません。しかし、ほとんどのウイルスは、他人にメー ルを送るなどして、すぐにウイルスが感染したことを明かしてしま います。「スパイ」がすぐに正体を見破られれば、もはや秘密諜報 員ではありません。ウイルスに類するものの中には、他人にメール を送ったり、コンピューターを使えなくするような目立った行動を 取ることなく、人知れず活動(工作)をするものがあります。それ は特に「スパイウェア」と呼ばれます。現在知られている、スパイ ウェアは、人知れず、IPアドレスや個人がダウンロードしたファイ ルの履歴(ホームページを含む)等を送るものであり、必ずしも大 きな被害を与えていません。悪意なく、コンピューターやソフトウ エアの利用方法を調査する目的で仕掛けられます。しかし、これか ら出回るであろうスパイウェアが、個人の秘密情報、すなわちパス ワードやクレジットカードの番号を抜き出さないとは限りません。

また「クッキー」というブラウザとサーバ(目的のホームページ) の間で情報を交換する仕組みがあります。クッキーには、過去の履 歴や場合によっては会員番号をやりとりするものがあります。基本 的に目的のサーバ以外が、そのクッキーを騙し取ることができない 仕組みになってます。しかし、何事にも「完全な安全性」はありま せん。特に複数の人で一つのコンピューターを利用している場合は、 自分のクッキー(情報)を他の人が使ったりすることが可能になる 場合があります。現在のウエッブは一般に、クッキーなしで高度な サービスを受けることができないようになってますが、危険性につ いて心に十分留めておくべきでしょう。


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