詐欺を成功させるためには、人の弱みに付け込むのが一番だそうで す。コンピューターウイルスも最近は、人の弱みに付け込むタイプ が増えてきました。以前にも幾度となくウイルスについては説明し ましたように、メールを見ただけでは感染しません。メールに添付 されている実行ファイルを開かなければ感染しないのです。メール を見ただけで感染するように思えるのは、メールを見るソフトウエ アがおせっかいにも勝手に実行ファイルを開いてしまっているから なのです。ウイルスに感染したメールは、その添付された実行ファ イルを相手に開かせるために、いろいろと人の弱みに付け込むこと を行います。
例えば、表題に「緊急」や「重要」という文字を書いて、添付ファ イルを送るようなことが行われます。仕事をしている人などは上司 から「緊急」というメールを送られて来れば、疑う前に開いてしま う人も多くなるでしょう。画像ファイルを装って、相手に添付ファ イルを開かせようというウイルスもあります。添付ファイルの名前 を、アイドルや有名なスポーツ選手の名前にし、画像ファイルのよ うな拡張子であるJPGやGIFという文字を入れるのです。それらの人 物のファンである人は、送りつけた人が信頼できる友人であれば、 一も二も無く開いてしまうでしょう。ウイルスの被害が広まってい ることを逆に利用するウイルスもあります。それはパソコンやイン ターネット関係会社のふりをして、ウイルス対策ソフトと称してウ イスルが入った添付ファイルを送るのです。手紙と同様、簡単に送 り元先のアドレスを偽造することができ、あたかもその会社から送 られたようにみせることは簡単なのです。さらにメールを使ってい る人が必ずしもパソコンについて詳しく知らないことを利用して、 大事なOSに関わるソフトウエアを消してしまうよう指示するメール が送られることがあります。メールに、「XXXX.XXXというプログラ ムが動いている場合は、それはウイルスです。直ちに消してくださ い。」と書かれていて、信用して、それを消してしまうとパソコン が動かなくなります。厳密にはウイルスではないのですが、このよ うなものを「デマウイルス」と言います。ウイルスが流行すれば、 必ずといっていいほど、このようなデマウイスルが出回ります。「 ×月×日にパソコンが使えなくなる」とか「XXウイルスが感染して いる恐れがあるから、××を使うな」といったうわさがメールや掲 示板で広まり、場合によっては、チェーンメールになって、インタ ーネット全体に影響するのです。