森井教授のインターネット講座 最新版(2002年10月21日掲載記事)



第220回 無線ICタグ(上)


解説イメージ

コンビニエンスストアやスーパーマーケットのレジで長く待たされ た経験を持つ人は少なくないと思います。まだ、レジスターという 機械についているキーボードを押して、商品名と価格を入れる店舗 もあるようですが、ほとんどの店舗がバーコードを使って、商品名 と価格を読み取っています。待たされるのは原因は、購入する商品 数が多いと、その一つ一つについたバーコードを読む時間が必要だ からです。バーコードリーダーには、それ自体を手にとり、商品に ついているバーコードに近づけて読み取るタイプと、逆にバーコー ドリーダーに商品を近づけて読み取るタイプがあります。後者のほ うが、バーコードが印字されている面を適当に近づけるだけで読み 取れることから、若干早く読み取れるようです。しかし、どちらに しても、一つ一つを手にとって読み取らないといけないことから、 購入商品数が多ければ、それだけ時間がかかってしまいます。何と か一度に読み取ることはできないでしょうか? これを実現する方 法として、バーコードの代わりに、小さなICチップを商品に付ける ことが考えられています。このICチップは電波を出して、そのICに 記憶させた情報を発信します。このようなICチップを無線ICタグと 呼んで、実用化が目前に迫っています。無線ICタグは、それ自体が 電波を出して情報を送り出します。電波は常に出ているわけではな く、情報を読み取る際に、その無線ICタグに対して、電波を放射す ると、電流が流れて、それを基にして無線ICタグが情報を含んだ極 弱い電波を出すわけです。電磁誘導といって電波と電流は常にペア に存在するのです。この電波を受信すれば、一瞬に、しかも商品数 が多くても、ほとんど一瞬で、その情報を読み取り、合計代金等を 計算させることが出来るのです。これでレジに並ぶ待ち時間が、支 払いをする時間だけになり、大幅に減少することでしょう。無線IC タグを使う利点は、それだけでなく、多くの情報を無線ICタグに記 憶させることが出来るということです。バーコードでは、せいぜい 商品名程度しか記憶させられなかったのです。たとえば、賞味期限 等も記憶させることができ、店舗が間違って賞味期限切れの商品を 販売することを防ぐことも可能です。そのような商品は瞬時にレジ で判別され、警告が出されるからです。


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