森井教授のインターネット講座 最新版(2002年11月4日掲載記事)



第222回 ハードディスクの後始末


解説イメージ

最近のパソコンでは音楽や映像を扱うのが普通となって、テレビの チューナー付きのパソコンも広まろうとしています。テレビ番組の 録画をパソコンが行うのです。テレビ放送の録画予約をパソコンが 受け持ち、テープの代わりにハードディスクに、デジタル情報とし て記録します。このことが可能になったのはハードディスクの信頼 性、つまり耐久度とその高容量化です。80ギガバイトの容量も普 通になり、高画質ビデオ並みの画像で20時間、画質を落とせば1 00時間程度も連続で録画できるのです。

現在でも、パソコンにおいてはハードディスクが最も一般的な大容 量の記憶装置です。CD-RW(読み書き可能なCD)やDVD-RW(読み書き 可能なDVD)に比べても、大容量で、しかも高速にデータを読み書き できるのです。価格も1ギガバイト当り200円程度にまで落ちて います。このハードディスクに様々なデータを保存するわけですが、 問題となっているのは廃棄処分になった場合のそのデータの処理で す。ハードディスク内のデータには個人情報も含まれている場合も ありますし、メールも保存されている場合もあります。それまで使 用していたパソコンが必要なくなった場合、廃棄処分として、下取 りに出したり、販売店に廃棄を依頼したりします。通常、必要なく なったパソコン内のデータは消去することを心がけています。しか し、この消去の方法が問題となっているのです。パソコン上で通常、 マウスをクリックして、「ごみ箱」とよばれる場所にクリック&ド ローしたり、直接、「消去」ボタンをクリックして、ファイルを消 すようにしています。しかし実際はファイルの内容が消えているわ けではなく、インデックスと呼ばれるファイルの名札が外されてい るだけに過ぎないのです。一見、ファイルの内容が見れなくなるの は名札が外されて、どこにその内容がかかれているかわからないた め、見ることができないのです。しかし、ファイルの内容自体は消 されていませんから、どこかに残っていることになります。特殊な プログラムを使えば、どこにどのようなファイルの内容が書かれて いるかを調べだすことができるのです。つまり、パソコンを廃棄す る際にファイルを消したつもりでも、簡単に第三者がファイルの内 容を見ることができる可能性があるのです。これを防ぐためには、 ハードディスク自体をハンマーで叩き潰すか、あるいはハードディ スクを再利用するためには、ファイルの内容にすべて上書きするこ とが賢明です。上書きとは、ファイル自体をすべて別のデータに書 き換える方式です。別のデータとは意味のない数字や語句を入れれ ばよいのです。最近、このファイルに上書きをするソフトウェアが 注目されています。


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