家庭用ゲーム機がオンラインサービス、つまりインターネットを通 しての通信販売やホームバンキング、それに通信教育等の端末とし て大きく期待されていました。しかし、パソコンの低価格化や操作 性の向上によって、その普及が進み、家庭用ゲーム機がインターネ ットの端末として認められるには至りませんでした。その後、ADSL やCATVといった高速なインターネット環境が普及するに伴って、家 庭用ゲーム機が、改めてインターネットに接続しようという動きが 出てきたのです。今回はインターネットの端末ではなく、インター ネットという高速なネットワークを利用したオンラインゲームを行 う目的からです。
ゲームとはもともと人と人との交流、すなわちコミュニケーション のひとつの形です。ゲーム(game)という英語の語源は、スポーツ( sport)や喜び(joy)と同じであり、古い英語の「関係、参加、共同」 という意味であるgamenに由来するという説があります。家庭用ゲ ーム機も、その本来のゲームの意味に立ち戻って、コミュニケーシ ョンを目的としたゲームを行おうとしているのです。
オンラインゲームとは、通信によって複数のプレイヤー(ゲーム参 加者)とともに進めるゲームです。現在ではインターネットの普及 もあって、全世界で5,000万人以上の利用者がいると言われています。 現在は、家庭用ゲーム機ではなく、パソコンを利用して行うオンラ インゲームが主流です。家庭用ゲーム機の普及率では、圧倒的な日 本やアメリカですが、オンラインゲームでは韓国での普及に目を見 張るものがあります。韓国ではインターネット、特にブロードバン ドが広く普及しています。それを利用しての家庭のパソコンからの オンラインゲームの利用率が非常に高いのです。またインターネッ トカフェのようなインターネットを利用できるパソコンを数多く並 べた施設も多くあり、さながら街のオンラインゲームセンターとな っています。韓国でオンラインゲームが普及した理由は、インター ネットの普及だけでなく、日本の影響もあります。つまり、日本の ゲームおよび家庭用ゲーム機が規制されていて、テレビゲーム自体 が活気を帯びなかったという事情があるのです。さらに、不法コピ ーが氾濫し、家庭用ゲーム機のゲームソフトが育たなかったことも あります。オンラインゲームでは不法コピーの影響をうけず、サー ビスを行うことができるのです。このような状況の中で、韓国では オンラインゲームが流行しているのです。韓国でのオンラインゲー ムに興ずるインターネットカフェの映像がニュース等で流されてい ましたが、日本でも韓国に遅れてADSL等が整備され、普及している 家庭用ゲーム機を利用してオンラインゲームを楽しむ下地が整った と言えるでしょう。