森井教授のインターネット講座 最新版(2003年10月6日掲載記事)



第244回 コンピューターウイルス再び(下)


解説イメージ

先日、警察庁等から、マイクロソフトが警告した「MS03-039」とい う名前のセキュリティホールを利用した攻撃方法が公開されている と言う発表がありました。すなわち、WindowsXP等のOSに対して有効 な攻撃プログラムが公開されており、これを用いれば比較的簡単に MSブラスターのようなワーム(ウイルス)を作ることが可能なので す。MSブラスターにしても、その流行の一ヶ月ほど前に、利用され たセキュリティホールの存在が指摘され、その対策方法が示されて、 早期に対策を施すように告示されていました。その後、今回と同じ ように攻撃プログラムが公開されて、それほどの日数が経たないう ちに、ワームとして蔓延したのです。今回もまったく同じ課程をた どっており、早ければ数日後には、「MS03-039」というセキュリティ ホールを利用した新種のワームが現れて猛威を振るうかも知れませ ん。早急に対策を施すようにしてください。

さて、その対策ですが、どのような心構えをし、実際にどのような 対策をとればよいのでしょうか。今までのウイルスの場合、ウイル ス対策ソフトを導入し、シグネチャファイルと呼ばれるウイルスデ ータベースを最新のものにする、そして見知らぬ人から送られた添 付ファイルや親しい人から送られても必然性の無い添付ファイルは 開かないということでほとんど防ぐことができました。ワームの場 合はネットワーク(インターネット)に接続するだけで感染する可 能性があります。必要の無い場合はネットワークから切断する、つ まりコンピューターの電源を切るということもひとつの対策ですが、 最善の対策は、日々セキュリティホールのチェックを行うというこ とです。具体的には、 マイクロ ソフトのセキュリティ情報のページ を定期的に参照し、 面倒でも指示に従うことです。OSの付属したパソコンで今年になっ てから購入したものであれば、インターネットに接続した段階で、 「自動更新」といって、その指示にしたがって更新プログラムをイ ンストールすれば、セキュリティホールを塞いでくれます。セキュ リティホールを自分で塞がなければ、何もしなくてもインターネッ トに接続するだけで感染します。セキュリティホールを塞がないこ とは窓や玄関を開けたまま外出するようなものです。しかもワーム は目に見えず、隣人が気に掛けているわけでもありません。自分だ けは大丈夫ということは決してなく、ワームはだれかれ構わず感染 させようとするのです。セキュリティホールについては、自動更新 機能やプロバイダからの案内メール等で目に付くはずですから、他 人事と思わず、そして面倒がらず指示に従うことが肝要です。自分 のパソコンは自分で守ると言う心構えが少なからず必要です。


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