最近、ネットショッピングの利用が著しく増加しているそうです。 家庭でインターネットを利用している8割以上がネットショッピン グを利用しているとの報告もあります。ネットオークションも、商 品の値段を自分が付けるという行為の珍しさ以上に、安くて品質の 良いものが購入できると言うことで、利用者が増えています。ネッ トオークションが出現した当時は、個人が不要になったものをフリ ーマーケット形式で販売することが主流でした。現在では、個人で も専門のビジネスとして、あるいは既存の商店や会社が、それぞれ が取り扱っている商品をネットオークションで販売しています。
ネットオークションは原則として誰でもが出品できることから、多 くの問題を今だ抱えています。その第一は詐欺行為の温床になり易 いことです。対面で行うフリーマーケットならば、商品と現金の交 換は、その場で行われますから、商品を偽る詐欺を行うのは困難で す。しかしネットオークションでは、その交換は同時に行われるこ とは無く、通常、決済、すなわち銀行口座等への代金の振込みが行 われた後に、商品を送ることになっています。代金を振り込んでも、 商品を送らないと言う詐欺行為が多発しました。ネットオークショ ンを主催する側でも、その防御として、会員制にしたり、利用者の 評価を得点化するなどしていますが、実際の詐欺行為と同様、最初 だけ信用させておいて、ある日を境に詐欺行為を繰り返すというこ とが行われるようです。ネットオークションを利用するのであれば、 その出品者の履歴である、評価を参考にすることと、できれば事前 に一度問い合わせをして、その対応を考慮したほうが良いでしょう。 それでも、高額の商品であれば、一度身元を直接聞いたほうが良い と思われます。最近、もう一つの問題が注目されました。プロ野球 日本シリーズ、阪神対ダイエーの観戦チケットです。ネットオーク ションで、その観戦チケットが正規の代金の何倍、あるいは何十倍 もの値段で取引されているのです。最初から観戦するつもりも無い 人が、電話で複数のチケットを購入し、そのチケットをネットオー クションにかけているのです。本当に観戦したい人がチケットを購 入できなくなるという倫理上の問題のほかに、いわゆるダフ屋行為 という違法行為に抵触する可能性もあります。この問題は昨年のワ ールドカップサッカーのチケット販売のおりにも話題となり、転売 のためにだけチケットを購入し、ネットオークション等を利用して 高値で販売するものを「チケットゲッター」と呼んでいました。 「転売目的で不当に入場券などを買う行為」を禁止した埼玉県の迷 惑防止条例もあり、過去にこの条例に基づき、プロ野球のチケット を大量購入した容疑者の逮捕という事例もあります。不発弾や暴力 団のバッチ等、明らかに問題を引き起こすものがネットオークショ ンに出品されていることもあり、改めて出品者、購入者双方の倫理 観が問われています。