昨年の1月にも同じ題目で、昨年のインターネットを、「IP電話」、 「無線インターネット」、そして「暗号」という3つのキーワード で予想しました。ほぼ的中したと言っても良いでしょう。「IP電話 」は、ADSLやケーブルテレビインターネットの普及とともに、一般 でも使われるようになり、電話を多用する企業等ではほとんど用い られるようになったのです。無線インターネットも、室内でのネッ トワーク構築、つまりケーブルを引き回すことなく室内のどこでも インターネットが使えることで広く利用されるようになりました。 人が多く集まる駅ターミナルやホテル等でも「ホットスポット」と 称して、屋外でインターネットが利用できるようにもなったのです。 「暗号」に関しては、残念ながらまだまだ、その利用には至らなか ったようです。しかし、その前の段階である「不正アクセス」や 「コンピューターウイルス」の被害が一段と広まった年でもありま した。インターネットを利用して口座振込みや送金が出来ることか ら、不正アクセスを行い、大きな損害を与える事件も起こりました。 しかし、これらのインターネットの影の部分は、ブロードバンドと いう高速で安価なインターネットの急速な普及が原因です。一昨年 から始まったブロードバンドの波はすっかり街中を覆い、全国では 1千万のユーザが利用しています。しかし、徳島を含む地方では、 まだまだダイヤルアップと呼ばれる、低速なインターネットしか利 用できない地域も存在し、ますますデジタルデバイドと呼ばれる格 差が広がっていることを忘れてはならないのです。
今年のインターネットは、「インターネット家電」と「セキュリテ ィ」というキーワードを中心に動いていくことでしょう。5年以上前、 インターネットがテレビに近づこうとしました。テレビでインター ネットのホームページが見れるという製品が家電メーカから発売さ れました。しかし、これは主客転倒だったのです。昨年からテレビが インターネットに近づき、地上波デジタル放送の開始も相まって、 パソコンでテレビが操作できるようになり、録画もパソコンのハード ディスクで行い、パソコンのDVDに記録することもできるようになり ました。テレビ以外の家電もインターネットやパソコンに近づくよ うになることでしょう。インターネットがますます身近な存在になる ことによって、「セキュリティ」の重要性が増し、特に個人が自覚 して身を守る必要が出てきます。インターネットとは、家に例えれば、 窓やドアを開けることに対応し、様々な景色が見え、体験をすること も可能になるのですが、それに比例して安全が脅かされる可能性も 出てくるのです。良薬であるインターネットも苦い薬であり、「セキ ュリティ」というオブラートで包む必要があるのです。